九州班ツールド安西先生
班長 島田翔平
副班長 栗崎靖久
会計 生田連 起床係 金森翔一 GG 重森信志 記録 藤原彬
3月7日 移動日
部室に4時に集合。金森は少し遅れてくる。4時30分差し入れを持った他の部員、先輩方がやってくる。和泉さんからは、持つ人指名で差し入れがくる。マヨネーズ栗崎さんへ、もやし生田へ、こんこん湧水2?金森へ、アミノバイタル藤原へ、指名されなかった差し入れはエロ本。吉本より栗崎さんへゴミ箱、安部さんより塩5kg島田さんへ、小笠原さんより全員へタオル、若杉さんより野菜ジュース、オカリナ。松永さんより、小豆の缶詰。他にも多数の差し入れをいただく。指名されなかった差し入れを班員6人でジャイケンによって公平に分ける。
パッキングを各自で終え、新山口駅へ団走で出発。1班 生田 重森 栗崎 2班 藤原 金森 島田。新山口までは、2班と共に沖縄班の吉本が見送りに来てくれる。新山口駅在来線口で輪行の準備に入る。藤原にとっては初めての輪行であったため、吉本に手伝ってもらうかたちとなった。フロントキャリアの収納に苦労するも無事に全員が準備を終える。その後、吉本が近くのセブンイレブンでアズキバー、チョコアイスの差し入れをしてくれる。寒い。記念撮影後、ホームへ向かう。栗崎さん、島田さんの輪行バックが異常に重い。しかしどうにか7時7分発の電車に乗り込む。
席に着き、島田さんと栗崎さんは乗り換えの怪しいところついて話し合いを行う。念のために通りがかった車掌に聞いてみると、乗り換えに手違いが発覚。危ないところであった。乗換えまでほとんどの班員は寝る。7時20分下関着。当初の予定では乗り換えのなかった場所であるが、それが間違いであったため乗り換え。向かいのホームであったため移動は楽であった。8時27分中津行へ。この電車の中では、藤原、金森は睡眠。その他のメンバーは大富豪を行う。聞くところによると、生田の大貧民が続くも、最後には大富豪へとなったようである。11時46分別府駅着。
ここで、駅員に荷物のことで、別料金をとられかけるが、自転車を輪行袋に入れれば手荷物扱いになることを説明し、難を逃れる。駅前で輪行を解除していると、タクシー運転手に話しかけられ、昨日も自転車の集団を見たと教えられる。駅前の自転車置き場へ自転車を置こうとするも、あまりに狭いため一般の自転車を移動させることとなる。この頃から、阿部さんからの差し入れ塩5キロに島田さんがキレだす。「死ねばいい」と暴言まで吐く。また、自分で用意した白いカゴも捨てたがる。
昼食はファミリーマートでとることとなり、各自好きなものを買い、駅内の食品屋の席で食べる。アルク山口店で買ってきていたものもいた。昼食後、トイレで排泄と補給(水)を行い、いざ出発。
1班、生田、重森、栗崎、2班、金森、藤原、島田。スタート直後より、2班とも道に迷いながらひたすら坂を登る。とにかく暑くきつい。栗崎さんは、生田、シゲに団走中ちぎられるという事態にみまわれ、藤原はバス停にぶつかる。県道52号線と11号線のぶつかるところで、フリーの前に全員がTシャツ1枚となる。
別府一の宮線フリー開始。開始直後藤原とばすも、失速、他に引き離される。班練は経験したものの、他との体力差は大きい。よって、栗崎さんがテイルとなり最後尾をいくこととなる。傾斜はともかく、長い坂である。ロードの集団にあうなど、他の大学によく遭遇するところだ。途中前方に緑色の自転車集団を発見。速度は遅い。栗崎さん、藤原の二人は追い抜こうと速度を上げる。少しづつ差が縮まる。フリー終了地点目前でスパートをかけ、さらに差は縮まったものの、ぬくことはできなかった。しかし、このとき藤原は少し自信を持つ。
ちなみに、緑の集団が広工であることが、フリーの終了地点で広工と一緒になったことで発覚。栗崎さん、島田さん等が広工と話す。友人を発見したのだ。栗崎さんのゴミ箱パッキングに注目が集まる。ここで栗崎さんが、目的地が一緒であることより、一緒に行こうと広工を誘う。しかし、ほったらかして出発するという不思議な行動にでる。
ひたすら、11号線こと日田往還を団走で走る。班は別府での班と同様である。途中景色のよいところで写真撮影。由布岳が美しい。島田さんが登りたがる。休憩時、写真を撮りたい場所を団走ちゅうで通り過ぎてしまったということで、金森は一人戻って行く。のち、その場で、全員で山を背景に記念撮影。
やっと登りきり、下りの途中の休憩所で写真撮影をし、現地限定発売のガチャガチャのピンを買う。豆腐ソフトクリームは350円と高いので却下。カボスジュースをみなで回しのみする。ここで、観光客の記念撮影も手伝う。
山を下りきり、湯布院の街中に入る。とりあえず由布院駅へ。駅の正面には由布岳がそびえたち、その姿に感動する。栗崎さん、島田さんは湯布院に住みたがる。シゲは藤原にここで就職すればいいと言ってくる。(?・?)駅の観光案内所で今日の風呂、梅の湯の場所をきき、梅の湯へ。5時30分から7時までの間滞在し、風呂に入る。なかなかきれいな温泉であった。このとき生田は不必要なほうのサイドバックを持ってきており、自転車にとりにいくということが起こる。入浴後、牛乳でエネルギーを補給し、出発。
近くのスーパーを見つけ夕食。ここで差し入れのマヨネーズを分け合って食べる。
道の駅湯布院へ向け出発。もう暗くなっていた。道の駅を発見したと思い、トイレを探すが、見つからず、代わりに祠を発見し全員でビビる。トイレは結局見つからず別の場所を探す。少し走ると本物の道の駅を発見。先ほどの場所は、道の駅ではなかったのだ。道の駅湯布院は非常にきれいな場所で、室内で眠ることも出来た。防犯カメラが設置してあり、追い出される不安があったものの、ここで眠ることになった。
栗崎さんは大富豪をやりたがるが、全員に断られる。走行距離は34kmほどであったが、登坂が多く疲れていたのだ。9時30分就寝。朝までの間にシゲがおじさんに話しかけられているのを夢うつつの状態で藤原はみた。
・ ・・ここで、この夜に栗崎さんが見た夢について解説する。
栗崎さんは、体育館でセル(ドラゴンボールZ参照)に追いかけられつつ、元気だまをつくっていたらしい。生田は体育館の2階から1階に飛び降りていらしい。シゲは暴走していたらしい。
全く意味のわからない夢であったが、本人が非常に熱く語るので記録に残すこととした。
プレ1日目
道の駅湯布院4時30分起床。各自で食事。6時10分出発。ここで、出発写真は公衆電話を利用して撮影。
また、島田さんの白いカゴはこのときすでに廃棄されていた。道の駅のどこかに隠してあるはずである。
←白いカゴ |
出てすぐ登りとなり、ここを団走。水分峠の下りにさしかかり、フリーとなる。ここの下りは長く、かなりの距離をかせぐことができた。下りきって一度集合し、40号線(飯田高原中村線)に入ると今度は登りのフリー。ここで、火器と大鍋のみという、荷物の一番軽いシゲが独走状態に入る。ダミアン、火器、コッフェルの藤原は最後尾を必死で登りつづける。途中、シゲを見失い、彼は道を間違ったのではないかという疑惑が浮上する。ここで、通りがかりの親子連れにシゲの目撃情報を聞き、どうやら彼は無事に登っていることを確認する。九酔峡に入ると、名前の付いている滝が多くある。銅山の滝などを見て楽しむ。九酔峡の展望台近くで水を補給。肥満に効く水というものを飲む。栗崎さん、藤原はそのまずさにひく。血の味がしたのだ。一方、島田さんはうまいと気に入る。近くにミネラル水もあり、両方をボトルに補給。近くの九酔峡展望台には、鳥が飼われていて、廃材が置いてあって、景色もまあまあで、向かいにカツラの木があって、がっかり名所であると判明。水を補給したところの店は工事中のようであるが、少し奥へ行くと、大きな天狗の下駄と滝があり、そこで記念撮影。ここには、多くの願い事の書かれた板がぶら下がっており、可愛くなりたいなどのブルーな願い事を多数発見する。
そしてまた、フリーでののぼりが始まる。震動の滝付近に到着。しかし、工事中で見ることが出来なかった。残念さをこらえつつ、はなの郷へ。開店前で、店にはまだ入れなかったが、ブランコを発見し遊びながら開店を待つ。栗崎さん、シゲ、金森が十分にブランコを堪能したころ、店のおじさんに開店少し前に店に入れてもらう。土産物の説明を受けつつ、試食を繰り返す。ここで、1回生は特産品の味噌を購入。他にも欲しい物はあったものの、荷物が増えるということで断念。それから、しいたけ茶をご馳走になり、金森以外の5人はソフトクリームを食べる。はなのソフトクリームというもので、後にそのはなは、絶滅危惧種に指定されている種類であると判明。食べてよかったのだろうか・・・。本来なら、日本一のうたせ湯を通るコースに行くところであったが、店のおじさんのアドバイスで、やまなみハイウェイへとコースを変更。登りの緩やかな途中までは団走を行う。ここで、2班の藤原、生田は道の途中で椅子に座らせてあった人形と記念撮影。この頃に、生田が鼻づまりにみまわれ、人生初の花粉症発症疑惑が出る。後に、フリーとなるが、景色のよいところで止まって全員で記念撮影をしようということになる。ここでもシゲが暴走。先ほどの打ち合わせは完全に無視され、ひたすら独走状態で行ってしまう。他の5人は長者原で記念撮影。10秒タイマーを使用した10秒ダッシュ撮影、仰向けに寝ているところの撮影など、さまざまに遊ぶ。
後、頂上へ向けフリー。傾斜が急になってくる。栗崎さんはお腹を空かせる。藤原はバランスパワーをあげる。その現場を島田さんが撮影。やっと登りきったところで休憩。富山大のサイクリング部と遭遇し、一緒に記念撮影。このとき富山大のサイクリング部は自転車の故障で1人欠けた状態であったようである。また、お互い逆のコースであったため、情報交換も行った。休憩所の店の中で、栗崎さん2個、島田さん、シゲ1個ずつアイスを食べる。そのまま昼食をとろうとするも、喫茶店であるということで、店の人に断られる。よって、外で食事。各々持ってきていた食事をとる。ここで、差し入れの缶詰小豆登場。途中まで、島田さん、金森、藤原で食べる。パンに塗るとうまい。食いしん坊栗崎さんは小豆が苦手であったのだ。残りの小豆をすべて食べる人を、大富豪により決めることになる。藤原が負け、全部食べるが、気持ち悪くなる。出発前にトイレに行くが、水がほとんど出てこない。また、休憩所の背後には山があり、登ればさぞきれいな風景を見ることが出来たであろうが、時間の都合により断念。
名水100選池山水源へ向け出発。11号線から途中わき道にそれ、池山水源へむかうが、下りで、かつ曲がりくねっていたため危険である。池山水源は、名水100選に選ばれるだけあって、非常にきれいな水が湧き出ている。水を補給するが、柄杓に口紅が付いていて、少し不快な思いをする。
大観峰へ向け、ミルクロードのアップダウンを団走。1班シゲ、金森、栗崎、2班生田、藤原、島田。比較的走り安いコースである。途中、ダートの様なところで記念撮影。縦横無尽に各々走って撮影など、斬新な撮影を行う。ここで、タイマーを使った撮影が行われるが、風が強く、三脚が倒れてしまう。気を取り直して出発。数キロ下りとかいてある看板に安心したりもしたが、その看板はいい加減なもので、すぐに登りとなる。結局アップダウンを繰り返す。
大観峰で合流。土産物屋近くに自転車を置き、徒歩で大観峰へ。靄がかかっていて、遠くの山々はうっすらと見えるか見えないかというぐらいである。よく見えたのはグライダーふらいである。土産物屋に戻ると、いつもの試食食べ歩き。特産品扱いの青りんごソフトを島田さん、シゲ、栗崎が食い、ミルクソフトを金森が食べ、牛乳をシゲ、藤原、生田が飲む。
先ほどの班で大観峰を下る。道が曲がりくねり危険な道である。藤原はカーブで反対車線に飛び出してしまったり、ペダルが縁石に接触するなど、危険な運転をする。下りきり、入船温泉へと向かう。こじんまりとした、いい温泉である。入浴料400円を払い、風呂の前に温泉卵を全員で食べる。非常においしく感じられる。ここで、栗崎さんと生田がアイスを食べる。ちなみに栗崎さんは2個食べる。風呂では露天風呂のところで記念撮影。ここで事件が起こる。島田さんと栗崎さんがなんとなく開けたドアの向こうは女湯であったのだ。本人たちいわく、何も見えなかったとのことである。風呂をあがり、栗崎さんはここでもアイスを2本食べる。
金森がおじさんに連絡をとり、そのおじさんが入船温泉まできて、弁当の差し入れと、泊まるところのアドバイスをしてくれる。温泉前の人力車の小屋で焚き火にあたりながら夕食を食べる。弁当は数種類あり、希望とジャイケンでそれぞれが選んだ。
出発。1回生はスーパーで明日の米と餅を調達。2回生は近くの体育館で泊まる許可を得、喜ぶ。米を分け、体育館へ行くが、近道の段を越えるところでシゲが、バランスを崩し、自分でキレる。体育館はまだ開いている時間で、一般の利用者がいて、その人たちの邪魔にならないように注意しながら明日の朝食の準備をする。島田さんは洗濯へ。好きなものを食べる最後の夜である。生田、藤原、シゲで近くのローソンへ買出しにいき、藤原はサプリメントとチーズを買い、生田は牛乳など頼まれたものを買う。体育館へ戻り、シゲ、藤原はテントで眠り、他は外でしゃべり、好きな場所で眠る。
合宿1日目
起床。今日から合宿本番、朝はぜんざいでノルマる。作るのは簡単である。ここで、完成し、さあ食べようというときになって、島田さんが携帯をぜんざいの中へ落とすという惨事が発生。しかし、携帯は無事であるという奇跡も同時に起きていた。ぜんざいはとにかく甘い。シゲ、金森は早々と気持ち悪くなる。生田、藤原が粘る。もっと食べたそうな栗崎さんを前に、ノルマる。どうにか完食。トイレを済ませようとするが、数が少なく、藤原は女子トイレを使用。ちなみに、トイレまで走る間に藤原は少しぜんざいを吐いていた。体育館の裏のアヒルのえさになっていることだろう。
出発写真を済ませ、いざ阿蘇山へ出発。1班は生田、藤原、栗崎、2班は金森、シゲ、島田。快調なペースでの団走。ところが、阿蘇山の登り口近くで、事件発生。生田が差し入れの白菜を落としたのである。2班の到着を待って、反省する生田を記念撮影。気を取り直して、山登り。阿蘇パノラマラインは傾斜が小さく、登りやすい快走路。ユースホステルを発見。馬を乗せたトラックに数回追い抜かれつつ登山。当然のようにこのときシゲは独走状態で登っていってしまう。景色のよいところでシゲを除く班員で記念撮影。シゲは止まるのが嫌いなのか、写真に写るのが嫌いなのか・・・。もと写真部であるのが不思議である。距離が進むにつれ、藤原が遅れだす。やはり体力の差が大きい。シゲに追いつき、全員での記念撮影を、記念撮影スポットで行う。山がきれいである。
草千里に到着。ここのお土産物やさんは試食が多く良い。馬串、ソフト、牛乳を飲む。ここで驚かされたのは、なぜかトイレの便器の中に氷が入れてあったことである。
ここから、中岳の火口に向けて出発。向かい風が非常に強く走りにくい。中岳の麓のロープウェイ乗り場のところからフリー。見ただけでもかなりの傾斜がある。栗崎さんは、足を着かずに登れたら、アイスを合宿終了後に奢るように島田さんに要求。そしてスタート。藤原はテイルの島田さんに応援されながら登るも、少し愚痴っぽくなる。インナーでも足を着いてしまう。一度足を着くとスタートがやりにくい。前方を見ると、他の班員も苦戦を強いられている。道いっぱいに広がっている観光客が道を明け応援してくれる。どうにか全員が登りきり、中岳の火口まであと少しは徒歩。火口を見ることができる。エメラルドグリーンの大きな水溜りのようなものである。これを見ることが出来るというのは珍しいことなのだそうだ。栗崎さんの、中岳豆知識(昔の処刑は中岳に人を落としたなど)を聞きつつ中岳を見学。自転車へ戻る。ここで、金森はボトルを忘れ、中岳に走ってとりにいく。藤原は足バンドを落とし、探しにいく。結局両方見つけることが出来、一安心。
阿蘇山の下りが始まる。たくさん登っただけあって、下りは長い。藤原は先頭で、自足30キロほどしか出せないというビビリっぷりを発揮。下りきり、白川水源へと向かう。白川水源近くの駐車場に自転車を置き、徒歩で白川水源へ。白川水源は、池山水源とは違い、入場料がかかる。変なケチ根性を出し、代表者が全員分のボトルを持って、白川水源で水を汲むことになる。ジャイケンで勝敗を決め、負けた栗崎さんが代表者となる。その他の班員は、川で落ち葉を流したり、ベンチで寝たり、試食をしにいったりと各々好きに過ごす。栗崎さんが帰ってきて、水を受け取る。かなりきれいな場所であったらしく、興奮気味である。ジャイケンで負けて得したというものである。自転車までの帰り道に無人販売の漬物を発見。協議の末買うこととなる。駐車場で昼食をとっているところに雨が降り出す。天気予報も危ない。班長島田さんと班員が相談の末、休養用の距離の短い日に距離を伸ばすということで、今日はこのあたりで泊まるところを探すこととなる。通りがかりのおばあさんに近くに泊まれそうなところはないか聞くと、お寺があるということである。全員カッパを着る。藤原にとって初カッパ。上下の色が違うタイプであったため、上下の組み合わせがおかしいのでは?と疑問の声が上がるが、とにかく出発。
寺はなかなか見つからない。やっと見つけた小さなお寺は、お客さんが来ているということで断られる。もう一つ見つけた寺は、人がおらず、ここも断念。結局、白川駅へ。駅の人に許可をもらうが、人がいなくなるまで時間が余る。ここで、島田さんが以前使用したという見晴台駅へ行こうという案が出る。その案を採用し、見晴台駅へ。そして到着。ここで藤原は立てかけた自分の自転車を倒してしまい、フレームに思い出の傷を入れることとなる。もっと重大であったのは、あたりを探すも、水道、トイレがないということである。通りがかりのおばさんに聞いて見るも、このあたりにはないということである。どうするか迷っていると、そのおばさんが、うちへ来ないかと誘ってくれる。阿蘇山の麓で、ペンションのようなものをしているらしい。向かいに来たおじさんも快諾してくれる。おじさんとおばさんは、先に行って待っているということで車で行ってしまう。一時期はそこへ行こうということとなるが、10キロほど戻ることになり、それは嫌だということで、丁寧に断りの電話を入れる。各自のボトルの水をかき集め、鍋、コッフェル等を洗い、米を洗う。全く水が足りない。結局、風呂に行くときにコスモスへより、島田さんがガチャなどを洗う。1回生は買出しを行う。差し入れにあったスパゲテェ用のミートソース、栗崎さんの提案でシチューのもと、明日の昼食、果物の缶詰を購入。風呂は月なんとかという場所である。小雨が降る中シゲはパンクという災難に襲われる。島田さんとシゲを残し、風呂へ。温かく気持ちよい。サウナもある。シゲ、島田さんも合流し、つかの間の幸せである。
帰りは雨が強くなり、駅に着く頃には全員びしょぬれである。疲れきっている中、調理が始まる。明日の朝、昼、晩用の飯の準備もする。今夜のメニューはスパゲティ。水は近くの民家で外の水道を使わせてもらえることとなり、大鍋とペットボトルに汲んでくる。差し入れの塩をここぞとばかりに使用する。スパゲティがかなり塩辛くまずい。それに追い討ちをかけるように、シチューのもとをつぶしてスパゲティにからめるというアイデアがのしかかる。塩辛くてまずい上に飲める水もほとんどない。全員無言で食べる。途中、栗崎さんがスパゲッティを喉に詰め焦る。スパゲティは2回に分けて調理したが、2回目は固い。火力の不足で湯が沸騰しなかったのが原因だ。ミートソースの味でごまかしながら食べる。最後の一本まで食べ、缶詰フルーツが出てくる。唯一のまともな味である。片付け、寝る場所を作る。ここで、大鍋に汲んできていた水に片付けの最中藤原が調理に使用した大鍋を重ねてしまい、焦げが入ってしまう。責任を取り、民家へ。結局ほとんど全員がボトルを持って民家へ。夜遅いことと、最初に許可をもらったということで、静かに給水。そして、やっと帰って寝ることができる。雨に濡れた体を寝袋にもぐりこませ寝る。駅は6人がやっと寝ることができるスペースしかない。何者かのいびきが異常である。入り口付近の人物である。いまだに犯人は特定されていない。
合宿2日目
4時30分起床。寝不足で辛い。朝ごはんは、昨日購入した、たくあんとご飯。その後出発に向けパッキング。ここで、ちょっとした伝説が生まれる。GGのシゲに藤原がゴミを渡そうとすると、シゲが「ゴミは自分で捨てて」という名言を残すのである。これに、疲労と寝不足の藤原は若干キレ、「ばか」と言ってしまう。
そして、出発。とりあえずは便所のある高森駅へ。すぐに到着。順番にトイレへ。ここでも藤原は自転車を倒してしまう。しかし、感覚が麻痺してきていたため、何も感じない。全員がトイレを済ませた後出発。団走は1班生田、重森、島田、2班藤原、金森、栗崎。ここで2班に注目して欲しい。全員地図を読むのが苦手な人々である。このことが、朝から見事に機能する。2班が道を間違え、1班との合流地点に到着できなかったのである。携帯電話で連絡を取り、1,2班それぞれのコースを進み別の地点でなんとか合流。2班の班員は2班のコースのほうがきっと楽だったと、自分たちの正当性をお互いに確認し、自己満足をする。桜の名所九十九曲の近くの265号線をフリーで登る。トンネルが結構ある。藤原はここでも最後尾。栗崎さんがテイルについてくれる。それほどきつくはない。しかし、最後のトンネルで藤原のサイドバックがタンクローリーに当たりかけるという危険な状況がうまれてしまう。藤原、栗崎は、合流地点でそのことを興奮気味に話す。とにかくあぶなかった。
ここで、団走形式復活。班はそのまま。2班はコースリーダー金森が奮闘。下りが続くこともあり、超高速団走となる。下りでのスピードについて行けず藤原が何度かちぎれるが、かなりのペースで団走が行われる。途中、なぜかスプリントをするというほどである。テイルの栗崎さんは風もほとんどなくかなり楽であったと後に語っている。
高千穂には8時53分に到着。1、2班合流地点で異臭がする。このとき栗崎さんは、自分の臭いなのではないかと不安になったそうだが、これは信号待ち中の豚運搬車からのにおいであった。それから、犬夜叉をモチーフにしている大きな像を見つけ記念撮。そして、道の駅高千穂へ向け出発。少し登りがあり、ここで栗崎さんが島田さんが落としたと思われる、三脚の脚の部分のキャップを拾う。途中、小学生の遠足に出くわす。下りということもあり、猛ダッシュで下る。要するにカッコつけたいのだ。かっこいいという声が聞こえ、さらに頑張る。そして、ばてる。
道の駅で1、2班合流。1班も小学生に対して同じことを行っていたと聞き、みんなで笑う。店内には特産物の試食がある。いつものように試食をしていくが、店員が非常に可愛い。久しぶりの美人鑑賞。少し試食がやりにくくなる。店を出ると、大きな鬼の像がある。口に生田が挟まり、栗崎さん、金森は鼻の中へ。当然記念撮影である。
島田さんが道の駅の人に道を聞き、本日のメインである、高千穂峡へ。少し登って、下ると、高千穂峡の入り口に着く。自転車を駐車場へ置き、いざ行こうというときに、金森が自転車のBBが悪いと告白。栗崎さんが見るが、結局のところ、工具で応急処置をするか、取り替えるしかないということになる。つまり、今は修理が出来ないのだ。走れるには走れるということで、とにかく高千穂峡に遊びに行くこととなる。ひたすら山の中の階段を下る。橋が見つかる。かなり高い橋で下を見るのが怖い。さらにその橋の横の道を下る。下から見ると、橋が3つ見え、綺麗である。そのまま道を歩いて行き、記念撮影も行う。途中の看板に「若」という文字が・・・。若杉さんの落書き疑惑浮上。さらに進むが、金森はボトルを撮影現場に置き忘れてきている事に気付きとりに戻る。途中、滝や、昔の噴火によって出来た地層が露出しているところがあったりと、景色が非常に良い。また、水溜りにはオタマジャクシがいたり、蟻が大きかったりと歩いていて飽きない場所だ。次に鯉とその他の魚がいる池を発見。近くで売っている餌を1つ購入しみなで分けて魚の餌やりを楽しむ。鯉が足元に集まってくる。鯉より、普通の川魚のほうが泳ぎが速いため、餌を遠くに投げると、たいがい川魚が餌を食べる。なかなか面白い。そうこうしているうちに、水が飛び散るおとが聞こえる。ふと栗崎さんを見ると、餌で寄せた鯉を手づかみで捕獲しようとしている。何度目かのチャレンジで本当に手づかみに成功。その間栗崎さん以外の班員もとばっちりで鯉に水をかけられる。大いに盛り上がった。ここで注意したいのは、他のお客さんがいないことを確認した上でこの作業は行われていたことである。
さんざん遊んだあと、橋をわたり高千穂峡のお土産物売り場へ。ここで島田さんは今夜の宿泊予定地にある温泉に連絡を取り、宿泊許可をえる。ここには珍しいシシ肉コロッケというものがあり、全員で食べる。うまい。だが、どこがシシ肉なのかは不明であった。後、各自土産物の購入。お土産物が充実している。藤原、栗崎さんは、高千穂記念の手形を購入。金森はキティーちゃんグッズを購入。
土産物屋を出、高千穂峡のボート乗り場へと向かう。途中、川魚の水族館を発見し、栗崎さんは入りたがるが、結局却下されることとなる。ボート乗り場の直前で、会計生田が、一人1000円を徴収。ここで、栗崎さんがサングラスを落としたと騒ぎ出す。買ったばかりのものらしく、あまり使用していなかったらしい。相当ショックを受けている。だが、結局のところ、背負っているリュックサックから出てきて事なきを得る。栗崎さんは嬉しそうであった。ボートは30分1500円。グーとパーで3人ずつに別れる。栗崎さん、シゲ、生田の班と島田さん、藤原、金森の班ができる。各班協議の末初めに漕ぐ人間を決め、ボートに乗り込む。島田さんの班は島田さんが漕ぐこととなる。とにかくまっすぐ進まない上に方向転換も出来ない。栗崎さんの班も同様である。後で聞いた話によると、このときシゲが揺れることに非常に怖がっていたそうである。栗崎さんたちの班がボートの乗り口辺りにいるころ、島田さんの班は奥の滝のほうへ行ってみることにする。鳥がいればちょっかいを出しながら進む。ここで、漕ぎ手を藤原に交代。この頃には、方向転換も可能なレベルまで来ている。藤原が、ボート部の試漕会で習ったことを思い出していたのだ。滝のところに行くまでに、栗崎さんの班も追いついてきた。船を近づけるといいつつぶつける。わざとではないはず。お互いに写真を撮りつつ遊ぶ。後、滝へ。勢い余って船首部分にいた島田さんは滝の中へ。カメラを必死に守る島田さんが印象的であった。ここで、栗崎さんの班は、もと来たところを戻っていくが、島田さんの班はさらに奥へ。延長料金を気にせずに行こうということに成る。やけにボートを漕ぐのがうまい人もいる。話している言葉からして、中国人のようである。それを横目に見つつ、進む。他の人のボートに幾度か接触を繰り返し、お互い苦笑いである。橋のほうまでたどり着き、もとに帰ることとなる。この間漕ぎ手は金森に交代。結局、ボートには45分間乗っていたが、延長料金は取られずに済んだ。本来ならば10分につき300円である。栗崎さんの班は30分程度で戻ってきていたようである。ボート遊びはかなりの盛り上がりをみせて終わった。それと、ボートの管理人のテンションがかなり低かったのは印象的であった。
高千穂峡では、釣りを行う予定があったのだが、時間の関係でなしということとなる。帰り道にソフトクリームを食べ、もと来た道を通り池のところへ。金森がボトルを忘れていたのだ。金森はボトルをよく忘れるやつである。そこから自転車のところには別のルートで戻る。途中、軽トラックにあい、何か言われるが、よくわからない。気にせず進む。大きな橋のところで、水を落として、下の川までの距離を測る。とにかく高い。下に下りてみようという意見がでるが、道が続いていないということで自転車のところへまっすぐ帰る。
出発準備を整え、1班重森、生田、栗崎さん、2班藤原、金森、島田さんで出発。218号線を走る。のぼりが続く。藤原はバテ始め、金森が引っ張る。藤原はダミアンの重さにイライラが募る。ペダルをひたすらこぐが、スピードが出ず、金森に合わせてもらうというかたちである。途中、工事中のトンネルがある。2班は自転車に乗ったままトンネルを通ることが出来、快走。トンネルの途中で歩いて自転車を押す1班を追い抜く。どうやら1班は入り口で、歩くように言われたようだ。トンネルを抜けたところで合流。シゲは1班と2班の違いにフロントバックをたたいてキレる。かなり気に障ったようだ。気を取り直して出発。2班はガソリンスタンドを発見して島田さんがガソリン補給。110円である。このガソリンスタンドはおばちゃんが多い。金森の自転車を修理するための工具があるか聞いてみるが、ここにはないと言うことである。もう一軒行ってみるがそこにもない。そこで、近くの修理工場を教えてもらうことにする。少しコースをそれたところに修理工場があり、そこで工具を貸してもらう。気さくなおじさんで快く工具を貸してくれ、少しの雑談もする。金森の自転車はなおりはしなかったが、応急処置はできた。それから、おじさんにお礼をいい、出発。1班とは道の駅高千穂で合流。ここで、2回生は今夜の宿を道の駅通潤橋と定める。その間、金森、藤原は芝生の上で眠る。ここにきて、生田にも疲労のいろが出始める。団走でも時折ちぎれたらしい。どうやら、シゲの登り道加速コースリーダーで体力を奪われたようである。ここで初めて藤原は、自分とシゲがあまり同じ班にならない理由を知ることとなる。ここでの休憩時間は10分程度。その間生田は栗崎さんに非常食のバランスパワーを売るが、1本つぶれているという理由で+1本で交渉が成立する。
疲れた体で出発。途中のスーパーで食料品の調達を行う。1年生は次の日の朝用のパン、ジャム、味噌汁用のわかめ、レトルトのハンバーグを値段にこだわりつつ購入。藤原は100円均一で、体を洗うものも購入する。2年生はスーパーの外で近くの屋台の人にコーヒーを2本差し入れしてもらう。しかし、その人がタバコのポイ捨てを行うところを見てしまい微妙な感情となる。
それから、通潤橋へ向け出発。1班は信号のある位置まで戻って道を渡るが、2班はそのまま道を渡り、道の左側へ。当然1班を追い越してしまう。そこで2班は1班が追い越す間、ごめんなさいと頭を下げることとなる。アップダウンの道が続く。なぜか藤原は元気を取り戻し、金森について行く。
道の駅通潤橋に着いたときには店はすべて閉まっていた。この道の駅には、有名な「空を渡る水路」通潤橋が隣接している。そこで班員全員で通潤橋見学を行う。金森はママチャリ屋へ行きたいため渋々である。橋の上はかなり高い。金森と生田は水が放水される穴に入ったり、足を橋の外に投げ出したりして遊ぶが、高いところが苦手な栗崎さん、藤原はそれを見てビビる。シゲはなぜかおとなしく、島田さんは一人下で橋の上の人間を撮ってくれる。その後道の駅へ戻る。途中、栗崎さんは水路の鯉にバランスパワーをあげる。金森は自転車屋へ。生田、藤原、シゲはトイレで洗い物。島田さん、栗崎さんは牛乳を買出しに出る。結局、金森の自転車はママチャリ屋ではなおらず、鹿児島にある有名自転車屋、瀬戸口紹介に電話し、部品を取り寄せておいてもらうことにする。ちなみにこの日は風呂はなしである。
この日の晩御飯はご飯、ハンバーグ1人二切れ、白川水源で購入した菜っ葉の漬物、はなの郷で買った味噌である。道の駅内のベンチで食事を取る。生田はこの日ブキをなくし、手で食べる。インドのようである。他の班員も、漬物に関しては自分でちぎりながら食べる。ここで、投入されたのが得意のマヨネーズである。味噌にかけてご飯と一緒に食べるとうまい。食事のあとの話し合いで、シゲと藤原のパッキングを交換することとなる。明日から藤原は火器と大鍋だけである。夜のうちにパッキングは交換しておく。
明日はダートコースを予定しており、今日は早く寝ようということになっていたのだが、自転車の手入れを行っているうちに、藤原の自転車のギアがインナーに入らないという事態が発覚。藤原自身の手ではどうしてもなおらず、同じく自転車の手入れ中の金森に手伝ってもらうこととなる。しかし、またしてもなおらず、さらに島田さんと栗崎さんにも手伝ってもらうこととなる。様々な方法を試みるが、他の変速もできなくなったり、かえって悪化する事態となる。時間も遅くなっているため、結局元の状態に戻し、眠ることとする。テント希望の藤原、金森はテント内で眠り、その他の班員は思い思いの場所で眠る。就寝10時半。
合宿3日目
3時30分起床。若干の寝不足である。ご飯を炊きつつ、朝食。食パン一斤と牛乳1リットル。牛乳の種類が2本だけ違う。そこでジャイケンが行われ、島田さんが勝ち生田が負け、1番安い牛乳は生田へと。栗崎さんにとっては物足りない朝食で、すぐに食べ終わってしまう。他の班員は、イチゴジャム、マーマレイド、チョコクリーム、ピーナッツバターを駆使し、食べきる。ここで、チョコクリームとピーナッツバターが余り、チョコクリームは栗崎さんが食べ、ピーナッツバターは金森が食べる。藤原にとっては見ているだけで気持ちの悪いものである。
6時すぎ、すべての準備が整いダートコースへ向け出発。急な下りがあり、快走である。しかし、分かれ道や紛らわしい道があり、少し迷うこととなる。そのため、関係ない道で記念撮影をしてしまう。進んでいくうちに明らかに民家の庭に入り、引き返すということも起こる。どうにか道を修正し進んでゆく。途中に大きな橋があり、記念撮影を行うが、藤原は服を脱いでいるうちに置いていかれ、写真には写れずに終わる。なんとかダートの入り口まで来ることが出来、本日のメインイベントが始まる。入り口の看板には全面通行止めと書かれている。おそらく車に向けたものであろうということで、レッツゴー。ダートの登りであるが、思っていたより走りやすい。金森は、オフロードをやっていることもあり、速い。他の班員に、走りやすいところを教えるから付いてくるように言ってくるが、結局ちぎられる。栗崎さんは途中で覚醒し、金森を追って加速。生田、シゲ、藤原、島田さんが固まって進んでゆく。生田にとっては楽なコースであるらしく、元気である。しかし、時間がたつと、藤原が遅れ始める。結局、島田さんと藤原が最後尾で進んでゆく。だいぶ行ったところで、工事の人の車に呼び止められる。これから先には行けないということだ。藤原、島田さん、生田、シゲ、先に行っていた金森、栗崎さんも止められる。結局、行けるところまで、行くだけ行ってみようということとなり、さらに進む。鎖があるところまで来て、工事のおじさん達と再び遭遇。詳しい話を聞く。話によると、2、3年前の台風で道がふさがれ、4、5年は工事を行い通行止めということである。余談であるが、このあたりには昔300人ぐらいの人間が住んでいたという情報も得る。とにかく、この道は現在危ないのだ。ということで、なんとここで断念。8キロ程度登ったであろう道を戻るしかなくなる。とにかく、明るく工事の人たちと記念撮影。ここで、天気予報が怪しくなり、明日の人吉を通りえびの高原へ行くルートを変更し、松橋駅から輪行することとなる。そうと決まれば下る。ダートは下りのほうが怖い。自転車がはねるのだ。この日最大の事件が午前9時15分に起こる。相変わらずのスピードで先を行っていた金森が、道の途中で止まっている。なんとフロントキャリアが折れたのだ。ガムテープを用いたり、様々にパッキングを考えるが、どうしてもバランスが悪くなるため、金森の備品を他の班員で分け、サイドバックは、班長の島田さんが持つこととなる。藤原にはコッフェルが来る。それらの作業に一時間程度を費やし、出発。この間に班員は立ちションも行っている。
だいぶ下ったところで、金森のフロントバッグが落ち、そこでストップ。最後尾の島田さんが、藤原の手袋の落し物を持ってきてくれる。しかし、片方しかない。藤原が自分の荷物を探してもない。おそらく、さっき止まっていたあたりで落としたと考えられる。安物とはいえ、買ったばかりの手袋だ。藤原はダッシュで戻る。他の班員を待たせているという焦りから、力の限り走る。手袋を先ほど止まったあたりで見つけ、またしてもダッシュ。班員のところに戻ってくると、その速さに驚かれる。必死であったのだ。気を取り直してまた出発。登山か工事か、乗用車の人とすれ違う。
ダートから抜け出て、近くの空き地で昼食をとる。ご飯には泥が少々。金森のテンションは低い。そして、山口に帰りたがる。メカトラに続きフロントキャリアまで折れたのだ。無理はない。ご飯と缶詰がおいしいのがせめてもの救いだ。出発に向け用意を行う。自転車は極度に汚れている。ダートを走ったのだから当然といえば当然である。
松橋駅へ向け出発。1班は、金森、生田、栗崎さん。2班は、藤原、重森、島田さんである。出発早々1班は道を間違えるが、大事には至らずに済む。アップダウンの続く山道である。島田さんの荷物はずば抜けて重い。下りの勢いを利用して登りを乗り切っている。やっと抜けたところで、東洋一の橋を見に行くかどうかという相談が行われる。見に行くには、一度駅と逆方向へ行って、戻らねばならないからだ。何人かが橋に行くことに難色を示すが、東洋一というキャッチフレーズには苦い経験のあるらしい島田さんが行こうというのだ。行くしかない。
218号線を下り、霊台橋へ。橋の手前でシゲが危うく縁石にぶつかりかける。少しびっくりする。橋はというと、しょぼい。まさにがっかり名所。金森は橋を渡る気にもなれず、歩道の隅で睡眠。他の班員は一応橋を渡ってみる。その後、金森と同様に眠るもの、話をするもの、おのおの好きに過ごす。
15分ほどして、元来た道を登る。1班、2班共に高速団走である。ひたすら松橋に向け自転車をこぐだけである。2班は、コースリーダーを交代し、シゲがコースリーダーとなる。噂どおりの団走で、荷物の重い島田さん、体力のない藤原は苦しめられるが、どうにか松橋駅へ到着。電車は1時間後。輪行の準備に入る。場所は、駅の道を挟んだ正面のスーパーである。ここで、金森は愛用のフロントキャリアとお別れをする。この日は、自炊の時間がないということで、食べ物に限定のついた買い食いとなる。ジュースなどは禁止なのだ。このとき、好きなものを食べたがる者もいたが、島田さんと金森の引き締まった考えにより却下された。
人吉までの切符を買い電車に乗り込む。ほとんどの班員は疲れのため食事もそこそこ眠る。途中の乗換駅で、えびの峠が雪のため断念せざるを得ないということとなり、目的地を小林駅へ変更。島田さんは、小林の温泉へ連絡を行う。班員にはかなり疲労のいろが出てきている。また電車へ乗り、小林駅へ。
小林駅に到着した時にはもう真っ暗である。すぐに自転車を組み立て、風呂へと向かう。駅を出た直後、島田さんの自転車の後輪が左右逆についていることが発見される。ミラクルな間違いである。そこで、島田さん以外の班員が先に風呂へ向かい、島田さんは後から来るということとなる。コスモス温泉というところを目指す。登りもあり、疲労が蓄積している班員には辛い団走である。コスモス温泉の看板を見つけるのに時間を食う。分かれ道で島田さんを待つこととなるが、栗崎さんの判断で、1年生は先に風呂へ行くこととなる。少し気が引けるが、1回生は温泉へ。コスモス温泉は小さな温泉で、地元の人が良く利用する公衆浴場といった感じのものである。湯は熱いが気持ちが良い。風呂上りの牛乳は売り切れでないが良い温泉である。あがると、2回生がいる。どうやら、お風呂には入らなかったようだ。2回生はタフである。
温泉の後は今夜の宿である。それは、温泉に来るまでの道で見つけることが出来ていた。名水100選出の山湧水のところで、様々なオブジェのある施設である。多少雨が降ってきている。施設に着くと、屋根のある建物の前に自転車を止め、明日の準備である。名水で、米をとぎ、味噌汁の準備をする。水場が遠いが、名水と思えばなんともない。と自分に言い聞かせる。準備が完了すると就寝。
合宿4日目
起床してすぐ食事の準備。味噌汁とご飯である。山車用のいりこも一緒に食べる。味噌汁をご飯にかけると、いりこが白いご飯の上に現れるのだ。結構おいしいものだ。食事が終了した頃、この施設を使う様子の人々が集まってくる。楽器の演奏をするようである。あわてて準備をし、移動。準備できたものから、駐車場のトイレのほうへ行く。雨は相変わらず降っていてタイヤがすべる。最後に来るのは栗崎さん。しかし、建物から駐車場へ降りる坂で、なんとコッフェルを落として、中のご飯を道に投げ出してしまう。スパイダーネットでコッフェルをパッキングしたのが原因のようだ。とにかく、道についていない上の部分を島田さんと栗崎さんでコッフェルに戻す。
朝からどたばたしたが出発。今日は20キロを越えるのぼりが続くえびのスカイラインを通る過酷な日である。1班は金森、藤原、栗崎さん。2班は生田、シゲ、島田さんである。スタート直後から登りで、藤原は腰が痛くなってくる。サドルの高さを変えたり、腰を伸ばしたりするが、全く治らない。えびのスカイラインの入り口で2班と合流し、登りのフリー。1時間の時間走だ。栗崎さんは、この日調子が良いらしく、1時間で頂上まで登れそうだという。また、金森はただでさえ登坂が速いのに、今日は荷物まで軽く、さらに速い。藤原にとっては、1時間+どれだけの時間であろう。島田さんが班員を確認し、「よっしゃ行くぞフリー」。全員が勢い良くスタートと思いきや、藤原はカッパを脱いでいる最中であり、出遅れる。しかし、ガンガン飛ばして生田を一瞬追い越すが、失速。一度止まり、自分の手でインナーに入れ改めて出発。この時点で生田に抜かれる。まもなく、島田さんが追いついてくる。傾斜がきつく、遅いペースでしか登ることが出来ない。腰も相変わらず痛い。ペダルが重い。そんな状態がひたすら続く。上に上るにつれ、霧が濃くなってくる。途中、栗崎さんが上で待っている。後で聞いた話では、もともとは金森がそこで待っていて、栗崎さんと入れ替わりに進んだそうだ。最後尾との差があまりにもひらいていたため、待っていたのだ。ここで、テイルが島田さんから、栗崎さんに代わり、また登る。島田さんはあっという間に見えなくなる。藤原と栗崎さんの最後尾である。この頃になると、藤原には焦りと苛立ちが募ってきている。最初は、常に自分が最後になることへの情けなさや、焦りを栗崎さんに漏らす。そのうちに、「走ったほうが速い。」と言い出してしまう。かなり精神的に追い詰められてきている。途中、何度か腰を伸ばすために止まり、やっと登れる感じである。霧でほとんど前が見えない。そうしているうちに、皆が待っているところに到着する。道の横の草むらのようなところで、身を寄せ合っている。体が冷え切っているようだ。後で聞くところによると、トップの金森は45分走行して待ってくれていたそうだ。藤原が到着して、5分程度で出発。霧で何も見えない。風景自慢の霧島が真っ白である。霧がなくても風景を楽しむ余裕はなかったかもしれないが・・・。
真っ白な中をひたすら登り、やっとのことで頂上のパーキングに到着。かなりの寒さである。手もかじかんでいる。自転車を置き、室内へ。ゲームセンターとソファーがある。藤原はもう限界であり、ソファーに座り込み眠り込む。他の班員はゲームセンターを見て回るもの、休むもの様々である。
パーキングを出発してしばらくは団走。団走の班は朝と同じ。藤原の朝からはいているゴミテックスが破れペダルに絡まり、一時停止。改めて出発した直後、先頭の金森が道の脇の林で鹿を発見。すかさず記念撮影である。しかし、霧が濃くはっきりとは見えない。下りになると、フリーである。霧が濃い。寒い。風があたる。雨。という過酷な下りである。手は手袋をしていても冷たくなって痛い。途中、湯気の湧き出るところを発見。となりの駐車場に自転車を止める。駐車場のところからも湯気が出ている部分がある。全員がそろった頃、自分たちとは逆方向から登ってくる自転車集団を発見。男女混合である。話をしてみると、東京農工大学のサイクリング部であるそうだ。一緒に湯気の出ているところへ。泥があり、それが沸騰しているようにぷくぷく泡が出ている。時折、泥がはじけるように大きく飛び散っている。なかなか見ごたえのある風景である。彼らと記念撮影を行った後、彼らは登っていく。団走形式でゆっくりとしたペースだ。それを見送り、こちらも出発しようというとき、農工大の別集団が登ってくる。先ほどの話で、大きな部活であることは聞いている。これからまだすれ違うことであろう。
長い下りを下りきると、霧も薄くなり、気温も上がってくる。団走に切り替え、近くのコンビニへ。島田さんはブレーキのシューをかえる。他の班員は非常食を購入。ここでも、自転車集団に遭遇。今夜の宿、国分はすぐであると聞くことが出来る。
とりあえずの目標は、さくらさくらという泥湯が有名な温泉である。班員が楽しみにしているところの一つだ。そこを目指す途中、滝を発見。ここの水は少し温かいらしく湯気が出ている。まさに温泉地だ。そこを少し見学し、また出発。スタート時にバスが来て、少しスタートしにくかったがなんとかなった。いいペースで団走をし、さくらさくら温泉を発見。自転車をおき、温泉へ。建物の中にはレストランもあり、かなりおいしそうである。それを横目に見つつ湯船へ。男湯は泥が少ない。室内の湯船にも、露天風呂にもほとんど泥はなく、そのかわり、それぞれに泥が入った桶が置いてある。洗面器ですくい、シャワーのところで少しずつ使う。金森、藤原に関しては、そのうちに洗面器で豪快にかぶりだす。悪ノリの始まりである。さんざん泥を浪費する。しかし、そのぶん面白い。露天風呂にも行ってみるが、それはまあ普通である。風呂からあがり、着替えをし、脱衣所の洗面所で謎の液体を発見。顔に塗ると顔の垢がぽろぽろと落ちる優れものである。ちょっと欲しくなるが、売店で値段をみると、2000円ほどする。高いので買わない。
温泉を十分満喫し、班員がそろったところで、遅い昼食である。時間は4時ぐらいであったように思う。場所は温泉の敷地内である。恥ずかしさもあるが、そこでご飯と缶詰の食事である。栗崎さんは朝のご飯こぼしのために遠慮がちでほとんど食べない。かなり気にしているようだ。
出発。あたりは暗くなり始めている。今日は自転車修理の場瀬戸口商会による日である。金森にとっては非常に大事な日だ。ハイペースでアップダウンを団走する。1班は金森が引っ張る。国分の合流地点の交差点で2班と合流し、瀬戸口商会に電話をし、詳しい位置を聞く。瀬戸口商会に着いた頃にはもう暗くなっている。金森の自転車はもちろん、藤原の自転車もなおしてもらうこととなる。大きな店で、店内には自転車や自転車関連の商品が所狭しと並んでいる。見ていて飽きない。修理場にも上からつるす機械やら様々な装置があり、有名店というだけのことはある。店の人も職人といった感じがある。金森はBBを新しくし、藤原はインナーに入るようにしてもらう。藤原の自転車の原因は、なんと合宿直前につけたボトルケースがフロントディレイラーに接触していたことであった。接触部分を削ってもらい、ついでにブレーキも調整してもらう。二人の自転車は復活する。料金も安い。ちなみに藤原の修理代は1000円であったのだが、藤原はもっておらず、生田に立て替えてもらった。金森は、これでどんな坂でも登れると、やる気満々である。ついでに藤原も霧島でさんざんな目に藍ながらも、やる気満々である。店の人と話していると、どうやら、昨日も自転車で九州を回る集団が来たらしいことがわかった。農工大の人たちであろうか。
店の人に近くのスーパーと公園の位置を聞き、出発。非常にいい店であった。スーパーでは、明日のパンと牛乳、ジャム、納豆、ハムを購入。そして、今晩の食事用に、一人食パン2枚程度を購入する。昼ごはんが遅かったこともあり、晩飯は軽く済ますという考えからである。栗崎さんはかなりの空腹で不満があったようであるが、納得してくれた。公園についてすぐ、島田さんは班員の洗濯物を集め、ランドリーへ。重森は許可をもらい、お金をローソンへおろしに行く。しかし、結局ローソンではお金はおろせない。なぜなら、おろせるのはセブンである。それに加え、道に迷い帰りが遅くなる。今回の合宿の反省点の一つである。各自晩飯を済ませ、テントを張る。食パンを食べなかった者は栗崎さんへあげる。テントを一つ張る。金森、藤原はその中で眠る。かなり寒いにもかかわらず、他の班員は外で寝るようだ。テントの中で、寝袋にもぐりこんでも寒くて眠れない。トイレに行くために外に出たとき、あまりの寒さに藤原は心配になり、班員が凍死していないか確認を行う。みんな生きている。よってまた眠る。
合宿5日目
この日の起床前、藤原は意味のわからない出来事に見舞われる。一緒にテントで寝ていた起床係の金森が、「起床1時間前やで」と藤原を起こしたのだ。全く意味がわからず、「何?」と藤原が答えると、金森はもうすでに眠っている。寒くてただでさえ眠れなかった上に起床1時間前に一人起こされるという非常に迷惑なできごとであった。
起きてすぐご飯をたき、食パンを食べる。今日はハムがある。1人2枚。うまい。ジャムはいつものように少し残る。今日はピーナツバターだ。1年生で少しずつ食べる。藤原はピーナツバターで少し気持ち悪くなり、そしてトイレにも行きたくなる。この公園にはトイレが1つしかないため、朝はトイレに行きたい人でトイレは大盛況である。出発写真は公園の遊具を利用して撮る。心なしか班員のテンションは高く明るい。
桜島へ向け出発。1班、金森、重森、栗崎さん。2班、藤原、生田、島田さんである。出発してすぐに郵便局でお金をおろす。藤原の生田への借金はこのとき消える。60号線から海沿いの220号線へ入る。昨日とはうって変わって平地が続く。220号線からは海を挟んで桜島が見える。さわやかな天気も手伝って、走っていて気持ちがいい。風が少し強いが、快走路である。途中何度か止まり、春の部員勧誘用の写真を島田監督が撮る。走行している風に、生田、藤原はポーズを作る。明らかに自然ではない写真である。
最初の合流地点は道の駅垂水。1班はここでかしや体育大学の自転車部に会う。有名な選手がいるところであり、栗崎さんは興奮気味である。一緒に写真を撮りたかったようだが、カメラを持っている2班が到着した頃には、彼らは出発していた。残念であった。また、この道の駅はすごい。休める畳の部屋や足湯、さらには入れるかどうかはわからないが温泉まである。試食も充実している。昨日ここまで来て眠ればよかったという意見まで出るほどだ。全員で土産物屋に入り、試食や試飲をする。試食は漬物がメインで、試飲はたまねぎ茶である。好き嫌いの別れるお茶である。ちなみに島田さんは臭いをかいだ時点で、飲むのをやめ、そのお茶は藤原へと渡された。藤原も飲んでみて、このお茶は苦手であった。多少の土産物を買うが、今日は道の駅桜島、喜入にも寄る予定であり、ここでわざわざ買うこともあるまいということになる。外に出ると、鹿児島名物のサツマイモを用いた芋屋がある。焼き芋は量り売りであるが、少しサービスしてもらい、全員に一つずつの芋がいきわたる。芋屋はおじさんと、奥さんであろうか若い綺麗な女の人がやっている。話をしてみると、今日は本来休みであるそうだが、テレビの取材があり、店を開けているということだ。芋を足湯のところまで持って行き、そこで食べることにする。芋には多少の大小があるため、ジャイケンで争奪戦を行う。芋は非常においしい。ここで生田は足湯に手袋を落としてしまう。可愛そうな生田である。足湯の端っこのほうはぬるく、足をあげると寒い。そのため、人がいなくなっている真ん中へ移動。結局ぬるいが、いい休憩になる。
そして、コースリーダーを交代し出発。220号から224号へ入る。224号に入ると、先ほどは海の向こうに見えていた桜島に入る。桜島の道はアップダウンである。途中、片側通行の工事現場があり、そこを猛スピードで通り抜ける途中。2番目の藤原が手袋を落とす。洗濯バサミで吊り下げていたのだが、洗濯バサミの紐が切れたのだ。テイルの島田さんが拾ってきてくれる。アップダウンの道の途中で、小さなガソリンスタンドがあり、そこで給油。さらに進んで、桜島の展望台へ。噴火のとき、避難する用のコンクリートの建物がある。登ると桜島がきれいに見える。ここからは、合宿の最終地点である開聞岳も見える。合宿はもう少しで終わりだ。下に下りる。藤原は薄暗い避難所の隅で体育すわりをして記念撮影。土産物屋では、有名な桜島だいこんを持ち上げ、栗崎さん、金森が記念撮影。なかなか楽しいところである。
出発のときに、島田さんが団走風景を撮影。うまくいかなかったようだが、そのまま行ってしまう。224号沿いに道の駅桜島へ。2班は途中で自転車用のグローブを発見。1班が落としたものであろうということで、拾っていく。
1班とは道の駅桜島で合流。ここでは、愛知県立大学のサイクリング部と出会う。女の子もいる。服装はおしゃれで、ピンクのパッキングが印象的だ。山口大学サイクリング部九州班は、パッキングのフクロはガムテープだらけ。服装も小汚い。勧誘の参考にしようという意見も出たが、結局は我々が正しいということとなる。今日の昼食はご飯と缶詰と納豆である。様々な種類の納豆を買っていたため、ジャイケンで選んでいく。納豆が苦手な金森も参加。しかし、途中で食べられなくなり、班員で分ける。食事が終わり、駅内に入ろうとするがどこも開いていない。なんと定休日であったのだ。仕方なくトイレだけを済ませる。そういえば、茶色のローソンが道の駅の手前にあるそうだが見忘れていた。
フェリー乗り場へ出発。フェリーで鹿児島へ。フェリーから全員で桜島を見ていると遠ざかっていく。少し切ない気分になる。鹿児島での栗崎さんと島田さんの過去の合宿の経験を聞く。栗崎さんはその合宿のとき体力があり余っており、夜に階段ダッシュをした話、マンボウをみた話などである。
そうこうしているうちに到着。そして、栗崎さんたちが見たというマンボウを見に行くことになる。水族館の前の水路で飼われているのだ。よく探してみると、本当にいる。こんなところにマンボウがいるという驚きを感じる。水族館に入りたいが、高いことと時間の関係で、却下。
コースリーダーを交代し、道の駅喜入へ向け出発。鹿児島市街を団走することとなる。1班は、いち早くサイクリングロードを発見しそこへ。しかし、2班はそのまま225号線、226号線の市街地を団走。交通量、人共に多く走りにくい。コースリーダーの藤原は苦戦を強いられる。急に出てきた車のため、急ブレーキ。生田と接触する。そんなことが続き、藤原は苛立つ。途中から、市街地の団走に慣れている生田へと交代。途中信号でおばさんに声をかけられ、味好みを差し入れされる。海沿いの226号線に出てからは走りやすい。
喜入に到着。温泉やプールがあるということであったが様子がおかしい。一足先に到着していた1班が調べたところによると、開いていないらしい。桜島に続き定休日であったのだ。島田さんは責任を感じている。とにかく、今日はここで宿泊。風のしのげる場所を探し荷物を置く。それから、近くのスーパーで最後の買出しだ。スーパーへは徒歩である。バイトの話しなどをしながら歩いていく。朝用のパン、牛乳、ジャムなどを買う。明日合宿が終わったとき用に、何か食べたいものを買おうということになるが、夜くれば安いであろうと、ひとまず帰る。今晩のメニューはカレーである。金森が野菜を切り、他のものは洗い物やら米とぎである。風を防げる場所を優先したため、水場は遠い。手も冷たい。そこで栗崎さんが水用の手袋をくれる。藤原は軍手の上からそれを重ね洗物をする。シゲは素手である。このとき、栗崎さんが差し入れにあったタライを食器として使うこととなり一緒に洗う。米は、残りのものを使い切るということで、コッフェルの上限より多くたく。カレーには、りんご、藤原が2日前に買ったかまぼこの残りも入れることとなる。カレーは順調に出来、ご飯もどんどんできる。それにしても寒い。みなで寄り合いながら食事。かまぼこを金森はうまいというが、たぶん彼だけだ。栗崎さんはタライで食事。今日の食事は量が半端ない。全員がノルマっても一向になくならない。気持ち悪くなり、結局夜の買出しには行けず。この日はテントを二つたて、3人3人で眠る。島田さん、金森、藤原と栗崎さん、生田、シゲである。
合宿最終日
起床して、あまりの寒さにテントの中で食事をとることとなる。どちらのテントで食べるかということで、テント対抗ジャイケンが行われる。ジャイケンのリズムに合わせて、大きな声でグー、チョキ、パーを言って勝負を決める。その結果、島田さん側のテントが勝利。昨日の残りのご飯とカレーを、パン用の牛乳と共に食べる。食パンは、各自が非常食として携帯することになったのだ。カレーは一晩ねかせたせいかうまい。しかし、ご飯が生米でまずい。これをノルマらなければならない。特に金森のご飯は生米率が高い。藤原の横で気持ち悪くなっている。しかし、食わざるを得ない。どうにか食べきるが、朝から腹にくる食事である。食パン、ジャムをジャイケンで振り分け、各自でパッキング。ちなみに、このときの一番人気はメイプルシロップである。これは、珍しくジャイケンに勝利した藤原がもつこととなった。パッキングのときに発覚したのだが、重大な事件が知らぬ間に起きていた。生田の銀マットがなくなっていたのだ。風が強かったことを考えると、おそらく飛ばされたのであろう。
パッキングを終了し、出発。今日の班は1班藤原、重森、栗崎さん。2班金森、生田、島田さんである。目的地はゴール開聞岳。1班の藤原は、2班の金森に追いつかれまいと必死にこぐ。海岸線の快走路で走りやすいため、スピードが出る。指宿岩本の信号で2班と合流。追いつかれずに済んだものの、藤原は結構疲れている。各班2番目のシゲ、生田は顔が真っ黒である。
ここから、登りになるようなので玖?神社までフリー。予想に反して、登りはすぐに終わるが、フリーは続行。交通量は少なく、走りやすい。藤原は相変わらずの最後尾。島田さんがついてくれる。玖?神社まではさほど時間はかからず、9時45分には到着。この神社では開聞岳と池田湖をいっぺんに見ることが出来る。綺麗な風景だ。そして出発。
池田湖パラダイスには、10時30分に到着。ここの名物はイッシーと世界一ウナギである。まずはイッシーの像の前で記念撮影。そして、世界一ウナギ見物だ。船の乗り場のような場所に世界一ウナギはいる。ウナギは何匹かいるが、どれも世界一にしては小さいように感じる。こんなものなのだろうか。しばらくして、おじさんが教えてくれる。「誰も世界一大きいとは言っていない。このウナギは世界一ウナギという名前なのだ」と。多少動揺しつつも、池田湖パラダイスのしたたかさに感動である。それからお土産物屋さんへ。ぶらぶらしていると土産物屋さんのおばちゃんが、紫の芋とかつおをご馳走してくれる。うまい。それにしても、ここの寂れようはすごい。お土産物屋は数軒あるが、全部回っても自分たち以外の客は一人である。また、お土産物屋間の価格競争も激しい。栗崎さん、島田さんの行った店では、「あちらの店では○○円だけど、うちは○○円にしてあげる」というような会話があったそうだ。ここで、1年生は記念品選びを始める。ご馳走してくれた店で物色。壁掛けに目をつける。値札はついていない。おばちゃんに聞くと、明らかに今考えたのではという感じで値段を教えてくれる。在庫を確かめると、4つしかない。しかもそのうちの1つはホコリまみれ。他にないかと尋ねると、「ちょっと待ってなさい」といって隣の店へ。同じものを2つ持ってきてくれる。ここで、生田、藤原が値段交渉。なかなか700円をきらなかったが、粘ると「負けたわ」と、650円まで下がる。交渉成立である。その頃栗崎さんたちは、イッシーのぬいぐるみを購入。記念品とかぶっていないか心配しているが大丈夫であることだけ伝える。その後、記念品を手分けしてパッキング。それから、全員でソフトクリームを食べに行く。ここのソフトは、サツマイモソフトというものである。店内には水槽があり、魚とウナギが一緒に飼われている。死んでいる魚もいる。魚とウナギが心なしか気まずそうなので、魚はウナギの餌なのではと話していると、ソフトクリームが出来上がる。味は、ZAVASというプロテインのバニラ味に酷似している。
改めて開聞岳へ出発。追い風で快走路。景色も綺麗だ。途中のコンビニで、頂上で食べる好きなものを各自購入。チョコを買うもの、するめを買うもの、ジュースを買うもの様々である。トイレも済ませ、登山口へ向け自転車を走らせる。短いが登り坂である。自転車を岩に立てかけ、ここからは徒歩。非常食の食パンを持っていき、シロップをかけながら皆で食べ歩きをする。登山口の看板によると、成人は2時間半の登りだそうだ。舗装されていない道に入り、本格的に登りが始まる。午後一時登山開始。ここで、いつもとは違う構図が生まれる。自転車が遅い藤原は、この合宿中常に最後尾であり、自転車の速い栗崎さん、金森はトップであったのが、全く逆転する。走るのが得意な生田、藤原が登山ではトップだ。「走ったほうが速い。」と2日前に言っただけのことはある。途中何度か休憩を入れながら登る。栗崎さんと金森は最後尾をハアハア言いながら登ってくる。藤原にとっては初めての体験だ。速いってすばらしい。岩場や、ロープを伝って登る場所など、途中危険な場所はあるものの、木のない開けた場所からは海が見える。この合宿中一番いい景色かもしれない。下って来る人と途中何度かすれ違う。頂上に着いたのは2時40分。1時間40分で登ったことになる。普通より1時間近く早い。雲の上の頂上である。頂上は岩場になっており、全員で記念撮影。そして、ここで全員に班長から賞が送られる。山岳賞は金森へ。ノルマったで賞は生田へ。走ったで賞は藤原へ。総合優勝はシゲ。である。そして、班長島田さんが、最後はあの言葉で締めくくる。「そして、君たちは強くなった。」これは、九州班ツールド安西先生のテーマである。合宿前は「強くなる」であったが。
無事に合宿を終え、頂上で好きなものを食べる。楽しいひと時である。それから下山。シゲが岩場で少しビビっているが、順調に下る。下りでは、杖を持つのがはやる。栗崎さんは、枝を拾っては折ってしまう。なかなか手ごろなものが見つからないのだ。ここで、栗崎さんが「この杖つえー」という駄洒落を残す。寒い。やはり、自分たちは登りも下りも早いのか登りですれ違った夫婦を追い越す。
降りきり、数名がトイレに行く。その間、島田さん、栗崎さん、藤原は、島田さんが拾ってきた石や、ボトルをそり場で転がしては取りにいくという遊びを繰り返す。全員がそろったところで、また滑ったりして遊ぶ。しかし、ソリなしではうまく滑れなかった。自転車のところに戻り、麓のお土産物屋へ。人形をいじくった後、登山記念をもらい、記念バッチを買う。そして、自転車出発。そのとき、藤原は差し入れのマーボー春雨を落としており、店の人に教えてもらう。気を取り直して出発。
今日は宿で打ち上げである。安い旅館で「くりや」という。電話では、一番安い部屋は空いていない。予定通りに行くかわからないということと、キャンセル料が高いため、予約はしていなかったのだ。一度は断念するが、先輩二人が一番安い部屋との差額を出してくれるということでそこを目指す。部屋を1つにすれば安くなるのではと考えたが、料金は人数によるということであり、2部屋にする。くりやまで団走。南薩摩路を快走。くりやの看板を見つけそれに従いくりやに到着。部屋は、島田さん、藤原、金森と、栗崎さん、生田、シゲに別れる。部屋には布団、ちゃぶ台、有料のテレビがある。夢ような部屋である。そのことに喜び合うのもそこそこ風呂へ。気持ちがいい風呂で、ゆっくりと入る。合宿を終え、皆の体は引き締まっている。
それから、くりや内の食堂へ。一人に一品ずつ先輩二人が奢ってくれる。酒は高いためない。非常においしく感じる。お腹もいっぱいになり部屋へ。部屋に戻ると、一部屋に6人集まり大富豪である。負けたものがアイスクリームを買いにいくというルールで行う。結局数回の大富豪で勝敗を決める。1回目の敗者が買出しに行き、さらに2回戦が行われる。2回戦に負けたのは藤原である。人気のアイスを買い占めてくるように言われる。下に下りると、アイス売り場はもう閉まっている。店の人がたまたまいたため、開けてもらえたが、これが最後である。そのことを伝えると、大富豪はおしまい。寝る。
ツアー
この日の朝はすがすがしい。朝食はおかわり自由であったが、サイクリング部には少ない。備え付けの炊飯器はすぐに空となる。そして、栗崎さんたちの部屋で記念品の配布と、これからについての話し合いを行う。各自部屋に戻って出発の準備をするが、のほほんとし過ぎてチェックアウトを焦らなければならなくなる。外に出て、パッキングを終え、差し入れの味好みを食べながら、海を見る。ここで島田さんは、長い間苦しめられてきた塩5キロを海へ。達成感をかみ締める。
この日は、砂楽という砂蒸し風呂へ行く。栗崎さんが知覧という案を出したが、自転車に乗りたくないオーラのために却下されたのだ。砂楽は近い。1班に比べ2班が遅いので、合流後聞いてみると少し買い物をしていたようだ。ジャンプが魅力的に思える。砂蒸し風呂は海沿いにあり、一人千円程度だ。島田さんと藤原はタオルは持参していたが、オリジナルがほしくなり、他の皆と同様に購入。砂蒸し風呂には、タオルと貸し出しの浴衣で行く。砂に埋めてもらう。砂の重みとぬくもりがたまらない。この合宿の中で一番心地よい。栗崎さんは地元のテレビ局らしい人たちに撮影、インタビューされる。20分を過ぎたあたりから、背面が熱くなってくる。しかし、一度出ればもう砂はかけてもらえない。ここからは、我慢大会と化す。最後まで残ったのは、島田さん、金森、藤原である。藤原は足と頭で体を支え、背中を浮かして耐え忍ぶ。結局は、藤原が、金森に僅差で勝ち最後まで残る。40分程度入っていたことになる。砂風呂の後は、隣接している普通の温泉である。砂を洗い流して、ここでもゆっくりとする。他の客はほとんどおらず、リラックスできる。
砂楽の後は、指宿駅へ。鹿児島中央まで輪行だ。途中、パン屋に寄ったり、道を間違えたりしたが、無事到着。3時11分発の電車に乗る。
鹿児島中央駅は大きな駅である。ここで問題になったのは自転車の置き場である。テロ対策のため駅構内には置かしてくれないのだ。駅員との相談の末、近くの有料自転車置き場を教えられる。自転車置き場の人は、輪行バックのまま置かしてくれる。朝6時までは自転車を取り出せないが、まあ仕方ない。自転車を置いた後は、郵便でテントや大鍋など、使わない備品や荷物を送る。金森、藤原がコンビニでダンボールを2つもらってきて、1つに荷物を積め、もう片方をかぶせる。荷物を送るのは金森、藤原、シゲであるので、料金は割り勘である。郵便局で送ると安い。それから、鹿児島中央駅で何度か野宿の経験のある藤原の案内で、地下の通路まで全員で移動。そこが今夜の宿である。その後は、全員で駅に隣接するモールで好きなものを食べる。ざぼんラーメンはみんなそろって食べる。その後は自由行動である。藤原、金森は一緒に買い物へと出かける。場違いなオーラを出しつつの買い物である。さんざん店を回り、藤原はキャップを購入する。どんどんと店も閉まっていき、最上階の観覧車やら、映画館があるところへといく。栗崎さんはカップルに対し敵対心むき出しである。「死ねばいい」などという。島田さんはこのとき鹿児島大学のほうを見に行っていたらしく、なかなか現れなかった。シゲは、宿泊場所にいたようだ。ナルニア国物語をやっており、映画を見たいという意見も出るが、宿泊場所へ。コンビニで朝飯を購入。夜食も買う。ここにきて、宿泊場所の地下スロープが危険なのではという意見が出るが、大丈夫であろうということとなる。よって、全員で眠る。夜中に藤原は警察官と目があうが、何も言われずに済む。
山口へ
朝6時起床。栗崎さんはマナーモードの状態で目覚ましをかけていた。おっちょこちょいだ。少しばたばたするが、6時34分の電車でいざ山口へ。電車内では大富豪である。途中、人吉でかなりの時間がある。外は雨で出る気にもなれない。ここでさらに大富豪だ。負けたものが、全員分のサイドバックを運ぶという罰ゲームつきである。ここでも藤原が敗北。他人のサイドバックは重い。ホーム間を2往復だ。
熊本で、金森、藤原は離脱。同じサイクリング部の原と合流し、熊本で旅を続けるためだ。他の班員はそのまま山口へ。お互いに声を掛け合い別れる。10日間共にいた仲間と別れるのは寂しいものであった。
今回の九州合宿ツールド安西先生は非常に充実した楽しいものであった。